指導が難しいと感じる文法項目は、決まって日本語には存在しない概念を含んでいます。
したがって、与えた公式に単語を当てはめて文を作るような方法を学んでも「わかった!」という感覚を味わうことはできません。これが文法嫌いの生徒が生まれるメカニズムです。
日本語と違うから難しいのだという発想から離れて、日本語との違いを楽しむ指導手順を考えていくのが本シリーズの特徴です。
長い期間を費やして指導するのが一般的な「関係代名詞」や「完了形」などを、1回の授業で指導するという方法に驚かれることでしょう。
全体像を先に見せることで、「わかるぞ!」「簡単じゃないか!」という気持ちが生まれます。
細かいルールはその後で指導していけば良いのです。
たとえて言うなら「木を1本ずつ細かく観察する前に、山全体の姿を見せる」指導法です。
しっくりこないけれど、このやり方くらいしかない。
そう思っていた文法項目の指導に新たなアプローチ!
まさに思いこみからの脱却を図れます!!
前置詞の指導のコツは「どうやってイメージを広げさせるか」に尽きます。
日本語の助詞との違いを楽しみながら前置詞のイメージを捉え、繰り返しリマインドすることで定着を図る、アイディア授業!
■ 授業・解説:内田 浩樹(うちだ・ひろき)
:南山大学文学部卒、南山大学大学院外国語学研究科修了。愛知県立半田(はんだ)商業高等学校教諭、名古屋短期大学専任講師、鳥取環境大学准教授などを経て、現在、国際教養大学専門職大学院グローバル・コミュニケーション実践研究科英語教育実践領域代表・教授。専門は、英語教師教育、英語教育プログラム開発、教材開発、語彙指導など。著書は「つむぐ英単語(河合出版)」、「PLAY!拼裝英單(笛藤出版・台湾)」「英単語メモリー(Jリサーチ出版)」など。また、「国際教養大学・内田浩樹教授のライブ授業シリーズ」(ジャパンライム)で授業実践をDVDで発信している。