胡子美由紀先生『主体的・対話的で深い学びを追求する「課題設定」の考え方』セミナーレポート


ジャパンライム英語教育オンラインセミナー

このレポートは20216月に2回にわたって行われた胡子美由紀先生による第2弾のオンラインセミナー『主体的・対話的で深い学びを追求する「課題設定」の考え方~胡子美由紀先生とともに学ぶ「発問」を軸にした授業づくり~』の模様をお伝えするものです。

1弾のセミナーは同年1月から2月にかけて、『中学校の英語教師としてどのような視点で授業を行い、どのような生徒を育てていくのかを考えていく契機にしていただきたいとの思いを込めて「アクティブに学ぶ生徒を育てる英語授業づくり」』を開催し、大好評を博しました。

(この模様は弊社動画配信システムJLCオンデマンドでご覧いただくことができます。)

そしてその時のアンケートから「発問」に対するご要望や質問などが多く寄せられ、胡子先生とご相談の上、6月にセミナー開催の運びとなりました。

 

「課題設定」に至るまでの仕掛けと考え方

 今回のセミナーでは前回の内容を踏襲して「主体的・対話的で深い学び」を創造していくために必要なエッセンスは何か?という問いからスタート。基礎基本の定着、テストづくりの工夫、言語活動や発問の工夫など様々な意見が出て議論もはじめから活性化、諸々の意見のある中から胡子先生より「生徒や学級の実態がなおざりにされてキーワードだけが先行していないだろうか?」という問いが発せられた。つまり授業を行う前に必要なこととして「生徒理解」がどれだけきちんとできているだろうか・・・ということである。

そこにはどのような生徒を育てていきたいか・・・という生徒観・指導観の構築が必要であり、その中で胡子先生として目指す生徒像がなんであるのかということを、授業の映像を通して参加者のみなさんと共有をしていった。

 

「発問づくり」に欠かせない「教材研究」とは・・・?

同時に授業の中で教科書をどのように位置づけていくかということに対しては、セミナー参加者の先生方よりチャットを通して様々な考え方が活発にあげられた。

そのような議論を踏まえながら「発問づくり」に欠かせない「教材研究」に徹底的に取り組む必要性についての話しがあった。授業の中で教科書をどのように位置づけ、教材研究につなげていくのか、また教材研究においては何をするのか、教材への価値観が反映され、授業の内容・質に大きく影響するということが徐々に明確になってきた。

 

 

次に胡子先生からの提案で「主体的・対話的で深い学びを具現化する授業を行うためには」まず、素材研究の大切さ、次に教材研究があるという話があり、意味内容を重視した教材研究を行うと生徒が教師の視点でアウトプットを行うようになっていき、最終的に教師の理念が教材研究に反映されるということを明らかにされた話であった。

 

「課題設定」とは・・・?

そして「授業の中でどのような課題を課しているか?」・・・課題設定とは?という最後の問いかけから

Task・・・意味内容フォーカス

Activity・・・task寄りなexercise

Exercise・・・言語フォーカス

があげられ、6つの課題と10の要件を整理していただいた。

 

最後に次回に向けて実際に胡子先生が使用されてきた教材を例に、参加者にこの教材を研究して自分なりの発問を考えてくる課題を与えられた。

 

「発問」を軸にした授業づくり実践編

2回目では「主体的・対話的で深い学びの創造に必要なことは」そして「課題設定で大切なことは」という前回の大きなポイントの振り返りから始まり、自分の授業改善に必要なことは何かという問いを与えられた。

 

その中で授業改善のための項目チェックポイントを挙げられ、自分の授業の改善点を見直すとともに、

「育てたい生徒像を明らかにする」

「短期、中期、長期のシラバスの作成」

CAN-DOリストの作成」

という3つのポイントが説明された。

 

そして発問を行うときに大切にしているものは何でしょう・・・というポイントについて先生より色々な具体例とともに説明され、教科書本文をどのように扱うかという話があり、その種類について参加者の声を聞いてみた。

教科書は大きく分けて

モノログ(物語文、説明文、意見文)

ダイアログ

3人以上の会話文に分けられ、その内容によっても発問の内容や読ませ方、意味のつかみ方を変えていくなど明らかにされた。

 

 

以上を踏まえて例文を提示しながら参加した皆さんに実際に発問を作ってもらいながら様々なやり取りをして、大いに学びを深めていった。

 


今回の2回にわたるセミナーで、参加された皆さんは概ね満足感とともにご自身たちもかなり頭を使われた時間を過ごすことができたと感じました。

 効果的な発問は、

生徒たち自身が深く思考し、

自分の言葉で表現する、

思考力・判断力・表現力を身に付けていくことができるんだ・・・ということを学ぶことができた有意義なセミナーとなったことでしょう。

 

英語教員向けオンライン研修システムで配信予定

当セミナーの内容は、ジャパンライムの英語教員向けオンライン研修システム JLC OnDemand 『英語教育コース』にて配信予定となっております。

 

授業を変えていきたい、生徒の気持ちを奮い立たせる「発問」を行いたい・・・そのようなお考えの先生方必見の内容です。


※指導者・協力者等の所属は記事掲載時点のものです。