「阿野先生、太田先生とアクティブラーニング」第5-7回セミナーレポート


■セミナー講師

 阿野 幸一 文教大学 国際学部 国際理解学科 教授 

 太田 洋  東京家政大学 人文学部 英語コミュニケーション学科 教授


「今、改めて英語科教育法を学び直そう!」を基本コンセプトとした全10回の連続セミナー

現職英語教師のための英語科教育法セミナー

阿野先生、太田先生とアクティブラーニング

 

阿野幸一先生と太田洋先生の共著『日々の英語授業にひと工夫』をテキストに、毎回のテーマについてお二人がリレー形式で交互につなぎ、ペアやグループで問題意識の共有や様々な活動をしながら学びを深めていく、という新しいパターンのセミナーです。

 

第5回から7回にかけては、先生方としても一番聞きたかった、というリクエストの多い「指導技術」について熱いセミナーが開催されました。 

指導技術①②③

話されたテーマは、

机間指導

 (生徒の様子をモニターする際、何をする?モニターした後、何をする?)

ペア&グループワーク

 (授業の一部として取り入れるためのコツは?)

板書、ハンドアウト

 (「つなぐ」板書とはどのような板書?何を書く?)

英語ですすめる授業

 (授業で英語を使う理由は?どのように英語利用を増やしていく?)

日本語訳の使い方

 (日本語訳が役立つ場合、マイナスに働く場合?)

少人数指導

 (少人数だからこそできる指導は?)

ALTとのTT

 (授業でALTを活かすためにはどうする?)

ICT活用

 (授業のどんな場面でICTが生きる?)

身近な道具の使い方

 (授業のどんな場面でどのような小道具を使う?)

 

…と内容は多岐にわたり、しかも盛りだくさんのテーマでした。

ここで挙げられている指導技術について、多くの先生方は意識する・しないに関わらず、日々の授業実践の中で使用している技術もあればそうでないものもあるでしょう。

また、このようなセミナーで個々の指導技術について細かく語られることもそれほど多くないと思います。

 

今回のセミナーでは「今、改めて英語科教育法を学び直す」という基本コンセプトのもと、それぞれの指導技術について、各項目の(内)にあるような問いかけをしながらフロアと活発なやり取りを繰り広げました。

 

特に印象深かったところをいくつかピックアップさせていただくと、「板書」のところでの「言語習得に必要なものとして『気づき』があり、『板書』はそのための宝の山である・・・」というフレーズです。今はICTの進化によって板書も軽視というわけではないですが、効果的な板書(計画)が少なくなってきたように感じます。チョークの色の使い方や書き方、配置などの工夫の仕方ひとつで生徒にとっての見え方や感じ方は変わっていくのだろうと改めて感じました。

 

次にALTとのティームティーチングについてです。「授業の中でALTをどのように活かすか・・・」ということですが、現在小学校での英語活動においてはALTがほとんど主導ですすめてしまうケースやJTEが主導してすすめて行ってしまうことがほとんど・・・という声を多く聞きました。

そういう中でこの動画配信ではご覧いただけませんが、阿野先生が提示してくださったのが若き日の太田洋先生が中学校で教えられていたときの授業を例に、ALTの発想力や演技力を引き出すアイディアでした。ALTからの一方通行的な授業ではなくて、授業の様々な場面において生徒とALTが直接話をすることができる授業スタイル、授業の仕組みは、ALTの効果的な活用法として一つのモデルとしてあるのではないかと感じました。

 

それ以外にも数多くの実のあるやりとりもあったのですが、ここでは割愛させていただきます。それはぜひ動画配信をご覧になり、感じていただければと思います。

(2020.1)


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※指導者・協力者等の所属は記事掲載時点のものです。